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日々是好日也

いつも素敵な何かを。

注:801多発・ネタバレ満載。

日記と各感想とブログ分割しました。
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伯林蝋人形館


著/皆川 博子
―文芸春秋HP内容紹介より
退廃へ、狂乱へと向かう1920年代のドイツ、ベルリンを舞台に6人の男女が織りなす甘美にして残酷な日々。貴族の血をひき、軍人の道を歩むはずが、ジゴロとなったアルトゥール、ロシアからドイツに亡命し、シナリオライターを夢見るナターリャ、プロレタリアートでルンペン暮らしから這い上がり、ナチ党員となるフーゴー、裕福なドイツ系ユダヤ人の家に生まれ、義勇軍に参加した後、大富豪となるハインリヒ、蝋人形師マティアス・マイ、カバレット《蝋人形館》の看板歌手、ツェツィリエ。彼らの人生は様々な場所、時代で交錯する。傑作『死の泉』に続く壮大な歴史ミステリー長篇。




「すべての物語を書き終えた者には、自殺の特権を与えよう」

通勤時のお供にしていたのですが・・・
えらいかかりましたよ、今回は。
帰宅時が一番がっつり読めるときなんですけれど、最近は本読む気力ないくらい眠かったり、その日買ってきた他の本読んでしまったり。
で、結局朝の15分間しか読まなくて、結局1週間かかっちゃいました。

図書館で狙っている本がいつまでも貸し出し中なので代わりといっては何ですが、選んできた本。
元々皆川博子作品はかなり好きです。
HPの紹介文にもある「死の泉」が大好きで大好きで。
全部は読んでないけれど何作かは手を出していて、どれも好きですね。

で、近作。
最初のほうはなんだかよくわからないんですけど、だんだんと人の繋がりが見えてきて夢中で読めました。
作中作の形をとっているので感覚的にも「死の泉」に近いかも。
現実と願望と麻薬の見せる幻覚が混ざり合っていて、混乱しかけもしましたけれど、だんだんと絡まった紐がほどけていくような感じが気持ちよかったですね。

最初戦争って2次大戦のことかと思ったんですが、読んでいくとすぐに1次大戦ということが判明。
んむ。年号言われてもとっさに判断できない自分が悲しい。


皆川作品を読むたびに思うんですが、とにかく文章が綺麗。
今回、ところどころに詩が挿入されているのですが、それもあいまって全体が詩のように感じます。
夢の世界・・・というにはあまりいい経緯・結末じゃないのでちょっとアレですが(苦笑

それぞれが書いた物語によって成り立っているお話なんですが、それぞれの物語が少しずつ重なってはいるんだけれど噛み合わないところもあり。
結局何が真実なのか・・・
それは各短編の後に付随されている作者略歴と照らし合わせて検証していくとだんだんと輪郭が見えてくる感じ。

物語部分だと、一部の登場人物の名前が「J**」や「A**」と言ったように頭文字だけで語られ、それが誰を指しているのかは読んでいけば分るのですが。
それがまた物語の空気を濃厚にしています。

生きること、死ぬこと。そして何かに執着すること。
この人の作品はいつもそれが独特の世界観で語られてますよね。
というか、生に対する執着がとても強く。
今回は生にというより死に対してのが強かった様に思いますが・・・

謎解きも楽しいけれど、純粋に退廃した美しい世界に浸るのもいいですよね。
私は結構読み出すと世界にのめりこむタチなのでかなり浸って読んでました。
電車の中でしか読まない、と決めていたのでその途切れ途切れでいい感じに謎解きできたのかも。
おうちで一気読みしてたら謎はかなり謎のまま残ってしまったんじゃないかと思いますね。

登場人物が一部を覗いてほとんど皆薬物で精神に異常をきたしてきているので彼らが描き出す物語はくどいくらいだけれど本当に不思議だけど綺麗な世界で。

浸って読むにはもってこいだと思いますね。


| Novels(一般) | 19:58 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |









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