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日々是好日也

いつも素敵な何かを。

注:801多発・ネタバレ満載。

日記と各感想とブログ分割しました。
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エデン


著/五條 瑛
−帯紹介文
新宿のスラムで育ったストリートギャング・亞宮征人。
政治・思想犯専用の特別矯正施設「K七号施設」に入れられた時、「闘い」は始まっていた!

見せてくれないか、信念とやらが造り上げた楽園の姿を。

放置していて内容が頭から飛ぶところでした・・・
これ以上忘れないうちに覚えている事だけでも。

舞台が近未来で、死刑制度が廃止されているという設定。
法律的に廃止されていると言うのではなく、死刑執行後に冤罪が発覚したという事が起こって以来、死刑を執行したがらなくなって、実質廃止と言うカンジの設定。
妙にリアリティを感じます。。。
冤罪というのは最近話題になっていますしねぇ。
日本だと法務大臣が最終決定権持ってるんでしたっけ。
数ヶ月前に、任期中一度も死刑執行に署名しなかった大臣、という記事を読んだ記憶があります。
まぁ、逆に進んで執行したがる人も居るらしいし、当局側としても死刑執行しなさすぎるのも問題としてるらしいですが。


さてさて、お話の内容としては。
先日読んだ新作「赤い羊は肉を喰う」と違って、ヤクやら暴力やらは出てくるわけなんですが・・・
それでも、主人公以外の登場人物殆どが政治・思想犯と言う事でどこか行動は大人しめ。
まぁ、その割には暴力沙汰や所内殺人とかも起きていましたが。
「赤い羊は〜」との共通点として、これも人間の意識操作がありますねぇ。
12年前の事件「日比谷暴動」を所内で再現してみようという。
その引き金として配置され、違和感を感じながら抗う亞宮がなかなかよかったです。

最初にその「日比谷暴動」のことの説明があったとき、その暴動の鎮圧指揮をとった人物(物語の舞台となるK七号施設の責任者・黒幕?)の名前が「北朋輝」という名前で。
思わず2・26事件と北一輝を連想してしまいました。
事件の意義も違うし、北一輝はどちらかというと暴動を煽る立場(かなり語弊がありますけど)だから立ち位置ちがうじゃないか!と思わず自分で突っ込みを入れてしまったり。

ぶっちゃけ、北が持つ、暴動の主導者・宇賀神への執着から成り立ってるお話。
そして、宇賀神を知る人間たちが口をそろえて亞宮に対し、「君は宇賀神に少し似ているね」という。
もしかしたら親子とかいう落ちが付くんじゃねぇか??と始終思っていましたが、明確にそういうオチはありませんでしたね。
二人の邂逅はありましたが。
まぁ、年齢あわねーだろとかそういう突っ込みはおいておいて。
亞宮の年齢、正確には出なかったですし。とりあえず成人はしているという事ですが、ストリート・ギャングってくらいだからせいぜい20代ですよねぇ?多分。
30代でストリート・ギャングってどうよ、とか思ってしまうので脳内25くらいと言う事で・・・

五條作品にはよくあることなんですけれど、相変わらず主人公は周囲から愛されていますねぇ。
そしてカッコイイ。
まぁ、人種・思想・信念で群れたがりの人間たちの中に一人異質な人間が突っ込まれて、変なしがらみがないから誰とでも同じように接する事ができる。というのも判りますが。
んでもって、彼らの間を行き来しつつ、私のようなちゃらんぽらんな人間からするとワケ判らんの一言で済まされてしまいそうな周囲の人間の思想をききつつ、切り捨てていく姿がカッコよく映るのもよく判る。
でもそれをいったら、外の世界では対立していたグループの幹部で何故か一緒に放り込まれている蔡も同じ立場なはずなんですが・・・
彼も多少は自由に動いていたけれど、それでも同じ中国人グループの柵は無視できなかった模様。
そこら辺は日本人と中国人の民族意識の違いを汲んでるのでしょうか。

クライマックスの暴動シーンで宇賀神の意識に飲み込まれそうになっているところの亞宮がカッコイイ。
いや、主人公としてはこれまで自分のスタンスを貫いてきたのにそこで飲み込まれるのか??と少々お間抜けな点もあるにはあるけれど、そこら辺を考えずに見るとかなりイイ。ダークヒーローって感じで迫力満点。
それを蔡の言葉で正気に戻るんですが、この時、蔡の存在意義が判った感じが。
それまで、このキャラ何なんだろー・・・とか。思ってしまっていたり。
北所長も一緒に蔡放り込まなければ自分の目論見成功したかも知れないのにね。(完全に失敗したわけでもないけれど)
お話的には蔡の居る意味はわかったんですけれど、北が何を考えて蔡も一緒に放り込んだのかがよく判らないかも。
宇賀神の再現をしたかったのなら亞宮を一人で放り込んでこそ過去のトレースだし。


この作品、五條作品の中では群を抜いて評価が低いようなんですけれど、ちょっとそれも判らないでもないかなと思いますね。
、最終的には広げた風呂敷をたたみきれていない感じ?
ちょっと解決しきってないもやもや感が残ってしまう。
政治・思想犯の集まりで彼らの信念の食い違いからいさかいが事件に発展して〜という進み方なんですけれど、一部信念がどうのこうのよりはただの縄張り争い・利権争いになってしまっている感が否めない。
まぁ、最後の方に「信念だ何だの言いながら本当は本能のまま暴れたいだけだろう、力が全てだ。」的なことがあったのでそこに繋げる為のなのかな?
亞宮と蔡のグループ幹部が逮捕されたきっかけと言うか理由とかも、蔡のグループの捕まっていない残りの幹部がタレこんだんじゃないのか、というフリはあってもそれ以上の発展は何も無かったし。
K七号施設が医療施設を含めた4つの区域に分かれていて、通常の収容区である3区域に、亞宮と蔡の様にそれぞれストリートギャング達を突っ込んで、環境を作り上げたという設定はいい。
残りの2区域のうち、片方は連絡がとれ、ドジを踏んだとかそういった顛末が判るのでいいんですけど、最後のもう1区画はどうなってるんだー!とか。
中途半端に、そこにも仲間が入れられているという事だけが判ってその後そのことに触れられないので???な疑問が残るばかり。
そっちとも何とか連絡とって施設ぶっ壊すくらいのことするかな〜と思いつつ読んでいたのに全然でしたわ。
いや、それもどうかと思いますがね。

後、宇津木が読めなさスギ。
一体何なんですか、あの人は。

こうやって改めて気付くままに並べてみるだけで、気になる所多いですね・・・
読んでる間はかなり夢中で読めたのでなんか自分でもびっくりだ。
500ページ弱の本なんですが、字が割かし大きめで一段組みなのであまりボリュームは無いですねぇ。
これが2段組でそれに応じた文字サイズの量の作品だったら放置されてしまった残りの風呂敷もなんとかなったのでは??と少々思わずには居られなかったり。


後日追加覚書
どっかのサイトで見たんですが、雑誌連載時には「―調和的楽園―」というサブタイトルが付いていた模様。
なんかイイですね。


五條 瑛作品記事
| Novels(一般) | 19:36 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |









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